みつこの 今日もゆるっと生きていく

旅行や日常の記録。2021年4月からドイツ人夫とドイツ在住。

インテグレーションコースとゲーテのオンラインコースを比べてみた

Hallo!こんにちは、みつこです。

 

ドイツ語学習者にとって、自分に合っているドイツ語コースはどれか?というのは、重要なポイントだと思います。

私がドイツに引っ越してきて数か月は、コロナ禍で近くの語学学校に対面授業がなかったため、Göthe InstituteのOnline Group Course(A2.1~A2.3)で約半年間ドイツ語を勉強していました。

その後、対面で受けれるドイツ語コースが見つかり、インテグレーションコースのA2へと移りました。そのためA2レベルのコースを実は受講していることになります。

 

今回の記事では、インテグレーションコースとGöthe Institute(以下、ゲーテ)のオンライングループコース(Deutsch Online in der Gruppe)を実際に受けてみて、どんな人にどちらのコースがおすすめかを感想を交えながらお伝えしていきたいと思います!
私自身、これまで日本でドイツ語コースを受けたことがなく、「いざドイツに来て、ドイツ語を学びたい」と思っても、何が自分に合うのか最初はさっぱりわかりませんでした。
この記事が、今後ドイツでドイツ語を勉強したい人の参考になればうれしいです!






授業の進め方・時間

 

インテグレーションコースは、ドイツの移民局(Bundesamt für Migration und Flüchtlinge(BAMF))が定める移民向けのドイツ語コースで、基本的に「平日午前に毎日開講」です。平日仕事をしている人向けの夜間コースもあるらしいですが、私の住んでいる地域では開講していませんでした。

だいたいは対面式で、先生が前に出て文法や単語、ドイツの文化習慣について話し、みんなで問題を解き、答え合わせをして進めていく感じです。基本的には、学校の英語の授業のようなイメージです。

授業の進め方は先生によるかもしれませんが、私はコロナ禍に受講したので、基本は講義形式でグループワークはほとんどありませんでした。この辺は、各学校と先生の方針次第になると思いますが、希望があれば先生に相談してみるのがいいと思います。

また、授業の早さとしては、A1、A2、B1の3レベル合計で600時間、休暇を除くとだいたい半年でA1~B1までを学ぶことになります。先生にもよりますが毎日宿題が出るので、忙しい人にはついていくのが少し大変かもしれません。集中的に勉強したい人におすすめです!

 


ゲーテのオンライングループコースの場合は、その名の通り授業はZOOMを用いてオンラインで行います。先生と話せるグループ授業は90分×週2回、平日夕方に行い、それ以外はオンラインプラットフォームを使って各自で自主学習することになります。
1コースの受講期間は5週間、1つのレベルを修了するのに3コース(約5か月)がかかるイメージです。

オンラインプラットフォームには、単語リスト・文法説明がついていますが、基本的に先生からの解説はないため、わからないところは自分で調べながら勉強することになります。そのため、不明点を自分で調べる力も必要です。生徒間での助け合いの場である質問フォーラムもありますが、必ずしも満足いく回答が来るとは限らないのが難点です…。


なお、「ZOOM授業は要らない、オンラインプラットフォームだけでいい!」という方は、Deutsch Training Onlineという自主学習だけのコースもあります。学習内容もUIもほぼ同じですが、グループコースを受講していない場合は、質問フォーラムや先生による添削問題(記述・録音で回答を提出する)はありません。

グループ授業は先生によって違ってきますが、基本は、先生が文法を少し説明⇒クラスメートを小グループに割り振ってグループワーク⇒まとめ⇒…の流れでした。
グループ授業は夕方に開講しているので、昼間は時間が取れない人や自分のペースで勉強したい人におすすめです。


対象者・授業で扱うテーマ

 

インテグレーションコースは、ドイツ移住者向けのコースだけあって、ドイツでの日常生活に馴染むことを目的とした内容になっています。教科書のトピックや扱う表現も日常生活寄りです。たとえば、クレームの書き方や、友達のご飯に誘いかた、ドイツの知人宅にお呼ばれしたときのマナー等を授業でも話します。

対面授業であれば、先生も近くに住んでいる人が多いと思うので、近所のお店の話や地域の歴史の話なども出てくるでしょう。ドイツで早く現地に馴染みたい人におすすめです。

 

一方、ゲーテのほうは、世界中から様々な目的をもってドイツ語を勉強したい人が集まってきます。そのため、ドイツの言語や文化に興味のある人向けのコース内容となっています。環境問題やWEB関連の表現など、ビジネス/学生向けのトピックも多いです。
また、授業の内容も、グループ授業で文法の復習と会話、オンラインプラットフォームでは文法・語彙・聴解・作文・発音が勉強でき、各分野をバランスよく勉強できると思います。

個人的にインテグレーションコースと違うなと思ったのは、扱う単語の幅広さ・長文読解の長さ。当時は単語ごとに検索しながら問題を解いていたので、とても大変でしたが、今となっては「ドイツ語基礎もままならないあの状態で、あれだけ読んだ自分がんばったな~!」という気持ちです。笑

 

 

先生・生徒の雰囲気

 

もちろんどちらのコースも、先生やほかの生徒との相性はとても大事で、実際に授業を受けてみないと分からないところもあります。実際に受講した経験と、他の人の話から、わたしは以下のような傾向があると感じました。

 

インテグレーションコースは、大体1~3人の先生が日替わりで授業を担当する形式が多いようです。私の場合は、2人の先生が曜日ごとに交代で授業をしてくれました。どちらの先生も面白く優しい先生でしたが、授業のスタイルはかなり異なっており、経験の多さもかなり違うように感じました。
ドイツ現地の語学学校やVHS(ドイツの生涯学習機関)と契約している先生には、ドイツ語ネイティブではない先生も多いです。先生は全員インテグレーションコースを開講できる有資格者ですが、それでも発音やネイティブ的な言い回し等があまり得意でない先生もいます。
そういった意味で、インテグレーションコースの先生は、かなり相性次第なところがあります。

インテグレーションコースの受講者は、10代の若い人から年配の人、老若男女・いろいろな国からの受講生がいます。受講者の雰囲気は、本当にクラス次第だと思います。
インテグレーションコースはビザの発給の要件になっている場合もあり、義務としてしかたなく通っている生徒もいます。そういう意味で、ある意味モチベーションの低い人も多いです。受講者のドイツ語レベル次第で途中参加(A2から参加、B1だけ繰り返し受講など)の生徒もいますし、他の人の体験談を聞くと途中から授業に全く来なくなる生徒も少なくないようです。私自身は体験しませんでしたが、授業中にトラブルを起こす人がいるケースも聞いたことがあります。

私が通っていたクラスは、ロシア語とアラビア語母語話者が多く、仲良しグループがありました。(参加者の出身地域は、時期や地域によって差があると思います。)
最初のうちは、他の生徒と話せず寂しいなと感じましたが、ドイツ語が話せるようになるにつれて仲良くなっていき、今では休みの日に一緒に出掛けたり連絡を取り合ったりしている人もいます。最初は緊張すると思いますが、友達ができるチャンスも大いにあります

 

 

反対に、ゲーテのグループコースは、週2回1か月間だけオンラインのみでの交流となり、先生や生徒同士の付き合いはかなりドライです。全員住んでいる場所もバラバラなので、「休日に集まろう!」などという雰囲気にはならないです。でも逆に言えば、人間関係の負担がないとも言えます。

先生はいずれもゲーテ認定の優秀な先生たちで、私が受講した3クラスすべて、ドイツ在住ドイツ語ネイティブの先生でした。授業の質が安定している、という意味ではゲーテのほうが安心かもしれません。

受講者は、主にドイツまたはドイツ語圏(スイス、オーストリア等)に住んでいる人で、私が受講したコースはほぼ全員20~40代でした。夕方に開講しているという性質もあり、私以外全員、大学生・働いている人・子育て中の人でした。私は受講時、子どもなし・無職だったので勝手に肩身が狭い思いをしていました…。笑
ゲーテの場合、忙しい合間を縫って勉強している人や、自主的に受講を決めている人たちが受講しているので、生徒の授業態度も真面目です。そういう意味で、勉強に集中しやすい環境と言えるでしょう。

なお、A1.1のあとA1.2を取るなど、継続して受講してもグループは再編成となり、先生もクラスメートも完全にクラス替えになります。ちょっと寂しい気もしますが、いろいろな国の人と話せてそれはそれで楽しいですよ!

 

 

試験対策

 

せっかくドイツ語を勉強しているのだから、受講後に何らかの試験を受けて資格取得を目指したい、という人も多いかと思います。

 

インテグレーションコースの場合は、B1レベルまでの全コース終了後に、修了試験としてDTZという移住者向けのドイツ語試験があります。これはコースを最後まで受講していれば、自動的に受験することになります。
※DTZ(Deutsch-Test für Zuwanderer)の受験体験記はこちら。

mitsu32525.hatenablog.comそもそもこの試験に合格することが授業費返還やビザ発給の要件となっており、受講者にとってはとても大切なので、授業中にもしっかり試験対策をしてくれます。

 

ゲーテの場合、オンラインコース終了にあたっての試験はありません。Göthe Instituteが開催する独自のドイツ語試験はありますが、オンラインコースとは別物なので、試験は受けたい人が自分で申し込み受験する必要があります。
資格取得が目的の場合は、試験対策講座も別途開講しているので、そちらを受講したほうがよさそうです。



金額

 

さて、最終的にやっぱり気になるのがお値段です。

インテグレーションコースは、はっきり言って圧倒的に格安です。受講料は100レッスン=約1か月あたり229ユーロですが、受講許可の付与から2年以内にDTZに合格すれば50%が後から返金されます。(※自分で返金の申請する必要があります)
詳しくは移民局(BAMF)のHPを参照してみてください。

 

移民局ウェブサイト インテグレーションコース(ドイツ語、言語選択可能)
移民局発行の資料(日本語)

 

ゲーテのオンライングループコースは、2023年4月時点で439ユーロ。
A2レベルの全コースを受ける場合、A2.1~A2.3の3コースで1,317ユーロ…。正直な感想としては…やっぱり高いです。
でもグループ授業もオンラインプラットフォームも、体系的にまとまっていて質もいいので、会社から援助が出る、もう日本で勉強していて一部だけ復習したい、という場合には使いやすいと思います。

Göthe Institute ウェブサイト(ドイツ語、言語選択可能)



まとめ

 

以上が、Integrationskursとゲーテのオンライングループコースの比較・体験談でした!

 

  インテグレーションコース ゲーテ オンライングループコース
授業の進め方 基本は対面授業
(コロナ対策として
 オンラインの場合もあり)
・WEB授業
・オンラインプラットフォームでの
 自習(課題提出あり)
授業の開講時間 基本、平日毎日3~4時間程度 ・授業:平日夕方週2回(90分/回)
・オンラインプラットフォーム:
 各自好きな時間に進める
授業の目的 ドイツでの日常生活に
馴染むことを目的
ドイツの言語や文化・社会に
興味のある人向け
講師 地元のドイツ語講師
(ネイティブに限らない)
ゲーテ認定のネイティブ講師
受講者 ドイツ在住の移住者
※移民局から
 受講許可をもらう必要あり
世界中のドイツ語を勉強したい人
修了試験 コース終了後に有り
DTZ(A2/B1)
無し
金額 100レッスン=約1か月あたり
229ユーロ
1コース(5週間)
439ユーロ
特徴 ・ドイツ生活や地元のことが学べる
・講師や他の受講者との距離が近い
・読む/書く/聞く/話すを
 バランスよく学べる
・現代的テーマが多い

 

個人的には、ドイツに来たばかりの移住者にはインテグレーションコース、もうドイツでの仕事/生活がある・趣味でドイツ語を勉強したい方にはゲーテの授業をおすすめしたいです。

自分はA2レベルでインテグレーションコースに途中参加するまで、ドイツに住んでいながら、日常生活でドイツ語を話す・聞く機会がほとんどありませんでした。そのため、最初のうちは、授業で先生や他の生徒が話す内容やスピードに全然ついていけませんでした。
しかし、インテグレーションコースに参加する前に、ゲーテのオンラインコースで勉強したことによって、文法と語彙をある程度予習できていたため、授業中に何度も単語などを検索する必要がなく、先生の話を聞くことに集中できました。これが自分にはとても良かったと思っています。

その経験もふまえ、もし希望するインテグレーションコースの開講時期まで時間がある人は、まずゲーテのコースで準備しておくという組み合わせもありだと思います。
グループコースは開講時期が決まってしまっているので、オンラインプラットフォームでの自主学習のみのコース(Göthe Institute ウェブサイト ドイツ語、言語選択可能)から始めてみるのもいいかもしれません。たまにキャンペーンでお得に申し込みができることがあるので、ゲーテのメルマガに登録しておくと案内が来て便利です!(回し者ではありません。笑)


この記事が、ドイツ語学習に悩んでいる方、これからドイツ語の勉強を始める方の参考になれば嬉しいです。

 

 

アイキャッチ画像は、lil_foot_によるPixabayからの画像です。