Hallo! こんにちは、みつこです。
今回は、私がGoethe Zertifikat A1を取得した際の勉強方法を書きたいと思います。
私は、フルタイムで仕事をしながら、週末や平日の空き時間で勉強をし、約2か月の対策で合格しました。
(ちなみに100点中89点。運が良かったのが大きいけど、嬉しい!)
ドイツ人の夫に勉強を手伝ってもらった部分もありますが、当時は遠距離だったので基本は独学で対策しました。
私の勉強の経験から、やってよかった勉強法や、教材をご紹介したいと思います。
試験対策の方針を考える
これからご紹介する勉強方法や、私の体験談はあくまで「Goethe Zertifikat A1の試験対策」の視点で整理しています。一口に勉強方法といっても、勉強の目的や、その人の得手/不得手によって、効率的な勉強法は違うと思いますので、一例として参考になればうれしいです!
実際に問題を見てみるとわかりますが、試験の出題範囲は4分野(リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング)があります。
これまでの勉強の経験や、練習問題の結果次第で、得意分野と苦手分野はわかっておいたほうが対策がしやすいです。
例えば、私は文法がすごく苦手だったので、正確な作文を書くことは早々に諦めて、リスニングとリーディングで頑張ろう!と作戦をたてました。
私の対策方針は以下の通りです。
- リスニング(聴解) → 出題形式に慣れる。数字の聞き取りに集中する。
- リーディング(読解) → 知っている単語を増やす。
- ライティング(作文) → 定型文を覚える。採点ポイントを抑える。
- スピーキング(会話) → 出題形式に慣れる。使える表現を暗記する。
出題形式を確認する
上述の通り、今回の目標は「試験合格」です。そのため、早く出題形式に慣れておくこと、出題傾向をつかんでおくことができると効率的です。
ゲーテの場合、公式サイトに練習問題が載っていますので、最初に目を通しておきましょう。
(参考:練習問題 - Goethe-Institut Japan)
あとは試験形式を踏襲した問題集(Fit furs Goethe-Zertifikat: A1 Book & CD)もあります。
こちらの問題集は、4分野ごとに章立てた練習問題と、模試がついてます。
注意したいのは、問題文を含め全てドイツ語で書いてあることと、解答に解説がないことです。
なので、このテキストは、文法と単語を少し勉強してから始めたほうがいいです。(私はいきなりやろうとして挫折しました…)
また、解説が載ってないので「え?なんでこの答えなの?」「この答えじゃダメなの?」と思うことが何度かありました。
私の場合は、「勉強を続けたらいつかわかるはず!今は納得いかないけど、そういう答えってことにしておこう!」とあきらめて割り切ってました!!
ただ、練習問題も体系立てた順番で書かれているし、出題形式や出題範囲も試験そのままなので、この一冊をしっかりやれば、いくつも教材を用意しなくても大丈夫だと思います!
おすすめの教材・勉強法
上記にまとめたとおり、A1試験対策の原則は「とにかく単語」「試験の出題形式に合わせた勉強」だと思います。
私が実際に使ってみて良かった教材や勉強法を、勉強する分野ごとにまとめました!
文法
試験範囲がわかったら、超基礎の文法だけ最初に勉強をしておきましょう!
なぜなら、なにもわからないと問題文すら読めないからです。
(私は、問題集の問題文が読めなくて挫折しました…)
実際に受験してみての所感ですが、超基本の文法さえ押さえておけば細かいことは正直あやふやでもいいと思います。
試験では文法のひっかけ問題や複雑な表現は出てきません。
例えば、ドイツ語の冠詞(der, die, das)は格(てにをは)によって形が変わりますが、そういうのは正直あいまいでもなんとかなります。(あくまで、「試験対策として」という意味で、ドイツ語学習を続けるうえでは先に覚えておいたほうがいいと思います…反省も込めて。)
それよりは、一つでも多くの単語を覚える、読んで意味が分かるほうが点数につながります。
個人的には、文法の勉強は参考書が好きです。
参考書で勉強するときの良い点は以下の通りです。
- 体系的にまとまっている
- 手元に置いてすぐ調べられる
- 何度も参照するページや表をマークしておける
私は以下の参考書を途中まで(全39課中19課)やりました。
私はシンプルなデザインで、練習問題が豊富なものを選びました。
図解が多いほうがいい、問題が多いほうがいいなど、自分好みの参考書を見つけてみてください!
あまり本をつかった勉強が好きではない方は、オンラインでも無料の教材がたくさんあります。
東外大言語モジュール|ドイツ語はわかりやすく、練習問題も付いているのでおすすめです。
左のメニューから、文法モジュール>基礎完成コース を一通りやるだけで、基本は押さえられると思います!
単語
私がもっとも点数に直結すると思うのは「単語」です。
親切にも、単語リストがゲーテ・インスティテュートのHPに載っていますので、これをとにかく覚える!
(参考:ゲーテ・インスティテュート A1単語リスト)
私は「Anki」というフラッシュカード(暗記カード)のアプリをスマホに入れて、移動時間やごろごろタイムに勉強していました。
(PC、iPhone対応。Android版は「ankidroid」で検索してみてください)
▼実際に勉強しているときの画面。左がカードの表、右がカード裏面です。
※画像はUIがドイツ語表記ですが、スマホの言語設定が日本語なら、日本語で表示されます。
このアプリ、正解率に応じて自動的に復習タイミングを調整してくれる優れもの!
よく間違える単語は毎日復習、連続正解している単語は1か月後に復習…など自動的に学習するカードを設定してくれるので、あとは「1日20単語は新規」などと設定しておけば、計画的に勉強できます。
単語の登録は自分でやらないといけないので面倒ですが、逆に言えば、画像を入れたり文字色を変えたり、自分好みにカスタマイズすることも可能です。
私は、名詞の性(男性der・女性die・中性das)ごとに色分けして登録しています!
ドイツ語学習者にとって難関の名詞の性も、これなら視覚的に思い出せるのでおすすめです。
ライティング(作文)
単語と文法がある程度わかってきたら、あとは出題形式に慣れるべし!
ライティングの問題は2パターンあり、なにかの申請用紙や申し込み用紙への記入をする課題と、シチュエーションを与えられて書く記述問題があります。
記述問題は手紙/メールの形式になります。
自由記述は、他人・目上の人宛か/親しい人向けかを注意して書きましょう。それによって、挨拶の言葉や動詞の形が違います。
はじめと結びの挨拶を覚えれば最低限0点にはなりません…!
いろいろな言い方がありますが、男性宛/女性宛、フォーマル/インフォーマルの各パターンで1つずつ覚えておけば対応できます。
初めの書き方 ※宛名の後は「,」を書き、続く文章は小文字で始めます。
<フォーマル>
- Sehr geehrte Frau (女性の姓), Sher geehrter Herr (男性の姓),
- Sehr geehrte Damen und Herren, ←お店やホテル宛など、相手の性別がわからないとき
<インフォーマル>
- Liebe Frau (女性の姓),
- Lieber Herr (男性の姓),
- Hallo (相手の名前),
結びの書き方 ※結びのあいさつの後、改行して自分の名前を書きます。
<フォーマル>
- (Mit) Freundlichen Grüßen
- Viele Grüße
<インフォーマル>
- Alles Gute
- Liebe Grüße
- Viele Grüße
とくに結びの「Viele Grüße」は、ドイツ語の先生曰く、フォーマル/インフォーマル問わず使える万能挨拶らしいです。便利!
なお、英語と違って結びの挨拶には「,」を付けないので注意!
実際、ゲーテの練習問題の解答を見てもついていません。
(ドイツ語ネイティブの夫は「,」を付けてもいいと言っていたので、現実には好みの問題かもしれません…)
私が最初に作文問題をみたときは、どう書けばいいのかわからず書き始めることさえできませんでした…。ゼロから自分で考えるのは無理!と思い、以下の流れで勉強しました。
- 解答を読んで使えそうなフレーズを覚える
- 解答を見ずに自分で書いてみる
- 解答を見ながら間違えたところを直す
(できればドイツ語が得意な人にチェックしてもらう)
試験で一番自信がなかった記述ですが、実際の試験のときは、問題文や他のページから参考になりそうな文章を一生懸命探して何とか書ききりました…!
リスニング(聴解)
一見、対策の難しそうなリスニングですが、他の分野同様に出題形式に慣れるのが一番だと思います。
まず音声が流れる前に問題に目を通し、訊かれる内容を確認します。
試験の音声が流れ始めたら、その問題の箇所を集中して聞く!
例えば、問題のイラストが、レストランの料理だった場合。
「今日のおすすめはどれか」「最終的に何を注文したのか」を聞き取ることに集中します。
あと、良く出題されるのが「数字」です。
具体的には、時間/電車のホーム番号/電話番号/部屋番号などを訊かれます。
これは日常生活でも大事な要素。
自己紹介ができることよりも、旅行したり移住したりする際には、こういった情報を正確に聞き取れる能力のほうが必要だと思います。
ゲーテの試験は、こういう問題が多くて実用的なのがいいところ!
スピーキング(会話)
スピーキングの試験は、筆記試験後に順番に会場に呼ばれて行います。
(試験は申し込み順らしいので、待ち時間を作りたくない人は早めに申し込みましょう!)
試験は、面接官2名に対し受験者4人程度で行います。
スピーキングの試験は1~3の3つのパート(Teil)に分かれており、出題形式が決まっています。
<Teil1>
自己紹介(名前・年齢・出身地・居住地・話せる言語・職業・趣味)
ちょっとした質問(なにかの綴りを訊かれる、数字を音読するように言われる)
<Teil2>
試験官からテーマが示されたあと、ドイツ語で単語が書かれたカードを引く。
パートナーに対し、カードに書かれた単語を使って、テーマに関する質問をする。訊かれた相手も簡単に返事をする。
これを各人2回行う。
(つまり、質問2回+返事2回の計4回話すことになります)
<Teil3>
イラストの描かれたカードを引く。
パートナーに対し、そのカードに描かれたイラストに関する「お願いごと」をする。聞かれた相手は、それに対し回答をする。
これを各人2回行う。
(つまり、質問2回+返事2回の計4回話すことになります)
言葉の説明だけではわかりにくいですが、試験の様子がわかるビデオがyoutubeにあるので、これを何度もみて試験形式に慣れておくと良いです。
最初は「みんなが何を言っているのかさっぱりわからない!!これで大丈夫かな…」と思うかもしれませんが、何度も聞いたり、自分で回答を考えて話してみるのを繰り返せば、自然と聞き取れるようになってきます。
この試験形式の難しいところは、自分が話せることだけでなく、「パートナーが言っていることが理解できる」ことが必要というところ。
試験を受けるのは当然、ドイツ語の初学者同士なので、相手の発音も怪しかったり片言だったりします。
私は他の言葉の訛りが混ざったら聞き取れなかっただろうな…と思うので、日本での受験でよかったです。日本での受験であれば他の受験者もだいたい日本語話者ですが、ドイツなど現地で受験したら、もっといろいろな国出身の人が一緒に受験することになるので、その分ヒアリングも難しかったと思います…。
試験対策としては、回答例や便利な言い回しを考えて覚える!
これが一番早いかなと思います。
私は以下の動画を見て、使えそうなフレーズをノートに書き写す→何度も読んで覚える、という勉強をしました。
使えるフレーズを覚えてしまえば単語を入れ替えればいいので応用が利きます。
▼おすすめの再生リスト。Teilごとに動画が分かれているので、計3つ動画があります。
スピーキングのTeil2とTeil3は、パートナーの質問と似通ったり、2回同じような質問をしたりすると、「もう一度別の回答をしてださい」と試験官に言われることがあります。
例えば、Teil3(お願い事をする)の際に、「鉛筆」のカードを引いた時と「本」のカードを引いた時、どちらも「○○を貸してくれますか?」と聞くのではやり直しになる可能性があります。
そのため、回答パターン(使えるフレーズ)も2~3パターン用意しておくといいです!
また、ドイツ語は主語によって動詞の形が変わります。
Sie(あなた)を使うか、du(きみ)を使うかを先に決めておくといいと思います。
一つのやり取りでSieとduを混ぜて使うと不自然ですし、単純に2パターン覚えるのも大変なので…!
ちなみに私の場合は、すべて「Sie」で質問しました。「Sie」で質問する場合は、動詞の辞書形(辞書で引くと出てくる基本の形)で話せばいいので、動詞の活用を考えずに済むので、応用しやすいと思います。
まとめると、私の思う、スピーキング対策は以下の3つです!
- 自己紹介を覚えて、話せるようにする
- 使えるフレーズを何パターンかずつ覚えておく。(Sieかduか統一しておく)
- 練習問題や過去問の回答を自分で考える
- 出題されそうなテーマをなるべく多く押さえておく
スピーキングに関しては、1人だけでは実戦形式の練習が難しいので、イメージトレーニングが大事だと思います!
私もいろいろなブログを見て、出題テーマや使えるフレーズを勉強しました。
(私もこれから試験を受ける方の参考になるよう、次回、試験の経験談もまとめたいと思います)
試験対策は効率的に!
ということで、私のA1試験対策で行った勉強方法をまとめてみました。
繰り返し書いていますが、大事なのは試験の出題形式に慣れることと、知っている単語を増やすことだと思います。
試験を受けてみて、ほとんど出題形式通りの問題で、対策したままの問題が出てきます。(初学者向け試験なので当たり前かな…)
そのため、単語さえ入れ替えれば応用が利く問題がほとんど。しっかり対策すれば、結果はついてくると思います!
受験料も正直安くないので…ドイツ語試験、効率的に勉強して合格を目指しましょう!
この記事がこれから試験を受ける方の参考になればうれしいです。