みつこの 今日もゆるっと生きていく

旅行や日常の記録。2021年4月からドイツ人夫とドイツ在住。

ドイツ語試験(Goethe Zertifikat A1)の試験内容を公開!

Hallo! こんにちは、みつこです。

 

今回はGoethe Zertifikat A1で、実際に私が受けたときの試験内容を紹介します。
私はA1試験を受ける前は語学学校に通っていませんでしたが、他の方のブログなどで紹介されている試験の体験談を見てイメージトレーニングをしていたのが役に立ったと思っています。

 

この記事では、実際に試験、とくに口頭試験(面接)で出題された問題の内容や私の回答例、使えるフレーズなどを紹介します。
これから試験を受ける人の参考になれば嬉しいです!

 

 

 

試験の流れ


ゲーテのA1試験は、大きく二つのパートに分かれます。
筆記試験と口頭試験です。まずは会場で筆記試験(リスニング、リーディング、ライティング)を受験し、その後休憩をはさんで口頭試験(スピーキング)の試験があります。

 

私はゲーテ・インスティテュート東京で受験しましたが、筆記試験と口頭試験の間の休憩時間は、敷地の外に出てもいいし、敷地内で勉強していてもいいと言われました。決められた時間までに、試験官の呼び出しが聞こえる場所に戻ってくればOKです。
私は1時間、ロビーで復習しながら待っていましたが、人によっては併設のカフェでランチしている方、一緒に受験している知人同士で練習している方もいました。

 

ちなみに口頭試験は、申し込み順に順番が割り振られると聞いたので、「待ち時間が短いほうがいい」という方は、募集開始後に早めに申し込んだほうがよさそうです!

 

試験開始前

 

続いて、会場の使い方、試験規則、合否確認の方法の紹介がドイツ語でありました。

試験官はドイツ人2名と日本人1名と思われる方で、日本語を少し交えながらの説明でしたが、ほとんどがドイツ語。
「試験用紙のここに、受験票の番号を書いてください」などとアナウンスがあるのですが、正直聞き取れているか全然自信なし。「間違ってても教えてくれるよな…」という他力本願な気持ちで受けました。笑
(説明中も他の試験官が巡回しているので、わからないことがあれば引き留めて確認したほうが確実です…!)

 

わたしが受験したときはコロナ禍の最中で、まだ非常事態宣言中でしたが、「マスクはちゃんと鼻までつけてくださいね!鼻を出してる人、意味ないからね!!」みたいなアナウンスもありました。笑
終始明るいアナウンスだったので、試験前の緊張を和らげようとしてくれているのかな~と思いました。
机の上・引き出しには、筆記具・飲み物・受験票だけ出していいことになっており、その他のものはカバンに入れて足元に片づけます。飲みもの出しておいていいのは意外で驚きました。(誰も試験中は飲んでなさそうでしたが…。)

 

筆記試験

 

さて、実際に試験開始。試験はリスニングから始まります。

リスニングは前回の記事でも記載したとおり、練習問題と同じ形式・同じレベル感なので、注意するのは設問で聞かれていることを早めに確認しておくことと、数字は集中して聞き取ること!
問題用紙は書き込みOKだったので(試験後回収されます)、数字は聞いたらすぐメモしておき、音声内で「あ、ちがった、○○だ。」のような訂正が入ったらすぐ消す、というようにしました。

 

リスニングが終わったらそのままリーディング+ライティングです。


リーディングの最後にライティングがついています。私は前から順々に解いていきましたが、最初にライティングの問題に目を通しておき、リーディングの問題を解きながら「ライティングの項目で使えそうだな」と思う表現に目星をつけるのもありだな~と思います!
私は前回の記事でも書いたとおり、名詞の性(der/die/das)が苦手だったので、読解の問題文を見直して作文で使いたい単語を探しました…!笑

 

ちなみにこの時のライティングの課題は、「家族でホテルの一室を借りてパーティをすることになりました。ホテル宛に、会場を予約する依頼メールを書いてください」というものでした。
自分では一生書かなそうなメールでした…。笑

 

 

口頭試験(面接)

 

筆記が終わった後、休憩をはさんで口頭試験です。


口頭試験は、試験官2名+受験者4名で行われました。受験生は全員緊張の面持ちで、入室時は緊張MAXでした…!

 

会場内では適当な順番で着席。その後、こちらの動画の通り、試験官から試験の説明があります。
ちなみに試験官の一人はニコニコでご機嫌な感じの方だったのですが、もう一人はずっと仏頂面でにこりともしなくて怖かったです。(朝からずっと試験対応で疲れていたのかな…)

 

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試験会場図

 

【Teil1】自己紹介

 

自己紹介は一人ずつ順々に行います。

 

一例までに、私が使った自己紹介のフォーマットを紹介します!
XXXのところに、それぞれ自分の情報を当てはめてください。

 

自己紹介の例

Ich heiße XXX(自分の名前).
Ich bin XXX(年齢) Jahre alt.
Ich komme aus XXX(出身地) in Japan.
Ich wohne in XXX(居住地).
Ich spreche Japanisch und ein bisschen Deutsch.(私は日本語と少しドイツ語を話します)
Ich arbeite als XXX(職業).(私はXXXとして働いています。)
Meine Hobbys sind XXX, XXX und XXX.

 

このフォーマットに自分の情報を当てはめると、こんな感じ。
実際に私が話した内容です。↓

 

Ich heiße Mitsuko(名前フルネーム).
Ich bin XXX(年齢) Jahre alt.
Ich komme aus Tokio in Japan.(東京出身です)
Ich wohne in Tokio.(東京に住んでいます)
Ich spreche Japanisch, Englisch und ein bisschen Deutsch.(私は日本語と英語、少しドイツ語を話します)
Ich arbeite als Vertretrin(職業).(私は営業職として働いています。)※
Meine Hobbys sind Reisen und Fotografieren.(趣味は、旅行と写真です)

※私は、営業職だったので「Vertreter(in)」といいました。
 職業をいうとき、女性の場合は最後に「-in」を付けます。
 例)教師 男性:Lehrer 女性:Lehrerin

 


そのあと、面接官から名前のスペルを聞かれたので、一文字ずつ発音しました。
ちなみに他の人はそれぞれ、苗字、名前、住んでいる都市名のスペルを訊かれていました。

 

他の方の体験談を見ると、他に試験官に「電話番号を教えて」「郵便番号は?」などと数字を訊かれるパターンがありますが、私が受験したときは全員が数字も聞かれました。ただし、自分にまつわる数字ではなく、「ホワイトボードのX番の数字を読み上げてください」というものでした。


思えば、自分に関する番号だけだと、それだけを暗記してくればいいし、場合によっては誤ったことを言っている、例えば6(sechs)を7(sieben)と発音していても、試験官はわかりません。ホワイトボードの数字を読み上げるほうが試験としては合理的だなと思いました。


なので、数字は0~9まで一通り言えるように覚えていったほうがいいです!油断大敵…!!

 

 

Teil 2】簡単な質問をする


その後、試験官の方から説明があり、Teil2に入りました。Teil2では、あらかじめ与えられたテーマに基づき、自分が引いたカードに描かれている単語に関する簡単な質問をして、パートナーに答えてもらいます。
相手に伝わるように、凝ったことを言うよりも極力簡単な質問をしたほうが効率がいいです…!

 


まず1周目のテーマは「Wohnung(住居)」でした。
全員がカードを引き、自分の番までに必死に質問を考えます。笑


右隣の人から質問を受けます。
パートナーから聞かれたのは、「Haben Sie einen Balkon?(バルコニーはありますか?)」でした。
「Ja, ich habe klein Balkon(はい、小さいバルコニーがあります)」と答えました。
einenも抜けているし、形容詞の活用(本当はkleinen)も間違っているし、なんなら本当は家にバルコニーなかったけど気にしない!!お互いに伝わればよし!!!


次に私が左隣の人に質問をする番。引いたカードは「Küche(キッチン)」。
私は「Haben Sie eine Küche zu Hause?(家にキッチンはありますか?)」と聞きました。あるよね、普通。でも他に質問が思いつかなかった…。
パートナーは不思議そうでしたが、たぶん「Ja, ich habe ein Kuchen(はい、ケーキがあります)」と答えたと思います。あ、たぶん誤解されてるな…と思いましたが、そのまま「Danke schön(どうもありがとう)」と応えました。

 


続いて二つ目のテーマは、「Einkaufen(買い物)」でした。

 

また全員カードを引き直し、まずパートナーから質問を受けます。
記憶が曖昧ですが、確か「Ist das Geschäft geöffnet?(お店は開いていますか)」と言われました。「~ですか?」という質問に対し、「Ja/Nein(はい/いいえ)」だけの解答だと、内容を理解しているかわからないため良くないなと思っていたのですが、適切な返事が思い浮かばず。時間稼ぎのために「Wie bitte?(すみませんが)」と聞き返し、もう一度言ってもらいましたが、気の利いた答えが出てこなかったので、「Ja(はい)」と答えて終了しました。くやしい。


次に、自分が質問をする番。引いたカードは「Geschenk(プレゼント)」でした。
なので、パートナーには「Wo kaufen Sie immer Geschenk?(いつもどこでプレゼントを買いますか?)」と聞きました。例によってGeschenkの冠詞は思い出せず…。
パートナーは「Ich kaufe in Supermarkt(スーパーで買います)」との回答でした。

 

使えるフレーズ

  • Wo ist der/die/das XXX?(XXXはどこですか?)
  • Haben Sie ein/eine XXX?(XXXを持っていますか/ありますか?)※1
  • zu Hause(家に)
  • in der Schule(学校に)
  • am Arbeitsplatz(職場に)
  • am Wochenende(週末)/Samstag(土曜日)/nächsten Sonntag(次の日曜日)※2


※1 後ろにzu Hause(家に)、in der Schule(学校に)、am Arbeitsplatz(職場に)を付けると、テーマに合わせた質問にできる
※2 am XXXは、質問文の後ろにつけると、テーマに合わせた質問にできる
 例)Spielen Sie Sport am Wochenende?(週末にスポーツをしますか?)
 例)Was machen Sie am nächsten Sonntag?(次の日曜日は何をしますか?)

 

聞き返すときの表現

  • Wie bitte?(すみませんが…)
  • Noch einmal bitte.(もう一度お願いします)
  • Können Sie bitte widerholen?(繰り返してもらえますか?)

 

 

【Teil3】簡単なお願いをする

 

Teil3では、自分の引いたカードにまつわる簡単なお願い事をする、という課題です。
まず試験官から試験の説明があり、その後Teil2と同じように、それぞれ2回の質問・回答をします。
ちなみにTeil3で引くカードには、単語ではなく絵が描いてあるので、単語がわからないと質問ができない可能性がありますので注意!

 

先ほどと同様に、まず右隣の人から質問を受けます。
たしか、「Können Sie einen Foto machen?(写真を撮ってくれますか)」と聞かれたと思います。私は「Ja, natürlich(はい、もちろん)」と答えました。パートナーのカードは見えませんが、おそらくカメラか写真の絵だったのではないかなと思います。


次は質問をする番。
引いたのは、「Salz(塩)」のカード。
私は「Gib mir bitte Salz.(塩を取って)」と言いました。
パートナーの方はよくわからなかったようでしたが、身振りを付けて、相手のテーブルを指さしながらもう一度言ったところ、「Ja, hier(はい、どうぞ)」と物を差し出す仕草をしてくれました。ジェスチャーはありなのかわからないけど、伝わったようで良かった…?

 

ちなみに、いま冷静に考えると、私が言った「Gib mir bitte XXX」は、Sie(あなた)ではなくdu(きみ)を使った言葉遣いでした。夫に教わったフレーズをそのまま使ったので、duだったんです。
Sieで話すなら、「Geben Sie mir bitte XXX.(XXXを取ってください)」と言うか、もしくは主語を変えて「Kann ich bitte XXX haben?(XXXをもらえますか?)」という言い方もできます。
この「物をとってください」という言い方は、塩取って、カバン取って、鍵取って等…いろんなカードで使えるので便利です!

 

 

2回目、パートナーから質問を受けます。
「Können Sie das Schlüssel leihen?(鍵を借りれますか?)」と言われたので、「Ja, klein Moment bitte.(はい、ちょっと待って)」と答えました。
あとで「あれ…正しくはKleinen Momentでは!?」と思ったのですが、ネイティブに確認したところ、文法的には「kleinen Moment」が正しいそうですが、話し言葉では「klein Moment」ということもあるそうです。セーフ…かな?


最後、自分の質問の番。
ここが、私にとってこの日一番の難関でした!!
引いたカードに描かれていたのは、「Fahrkartenautomat(券売機)」の絵。
でも、この単語がわからない!!!

正直、カードを引いてから他の人のやり取りを聞いている最中も、気が気ではありませんでした。な、なんなんだ!これA1レベルの単語だっけ?どうしよう!?と頭をフル回転…。

結局出した答えは券売機という言葉を使わないで、「券売機に関連する質問をする」という作戦。

私は「Entschuldigung. Können Sie mir bitte eine Fahrkarte kaufen?(すみません。私に切符を買ってくれませんか)」と聞きました。
知らない人に切符をねだるって、どんなシチュエーション!?
聞かれたパートナーも、完全に頭の上に「??」が飛んでいて、ぽかん。ごめんなさい。

耳を疑ったのか、もう一度「Wie bitte?」と言われたのですが、もう気の利いた言葉は何も思いつかないので、全く同じく「切符を買ってくれませんか」と言いました。やはり怪訝な顔。そりゃそうだよね。
パートナーの方は、状況は不明だけど、とりあえず何か買えばいいんだなと思ってくれたようで、「Ja, bitte.(はい、どうぞ)」と言ってくれて終話しました。

パートナーの方、あの時は変なお願いをしてごめんなさい…。
あとこういう変なお願いは断ってもいいんだよ!!

帰り道に一人反省会をして、「Ich habe keinen kleinen Geld.(小銭を持ってないんです)」とか言えばよかったのでは…!と思いついたのだけど、試験中はとっさに思い浮かばなかった…。

 

簡単なお願いごとの例

  • Kann ich bitte XXX haben?(XXXをもらえますか?)
  • Können Sie XXX leihen?(XXXを借りれますか?)
  • Bitte YYY Sie nicht hier.(ここでYYYをしないでください)※Yは動詞

 

返事の例

  • Ja, sofort.(すぐに)
  • Ja, natürlich.(もちろん)
  • Ja, bitte schön.(はい、どうぞ)
  • Tut mir leid, ich kann nicht.(すみません、できません)

 

ちなみに、他の方が、単語を知らないカードを引いたようで質問ができずにいたところ、試験官の人に「~~について聞いてみて」というような提案を受けていました。
(試験官の方が「住所を聞いてみては?」と言っていたので、多分、アパートの絵のカードを引いたものの、その人が「Wohnung(住居)」という単語が思い出せなかったのでは、と思いました。)

この試験ではコミュニケーションに必要な語学力を見ていると思います。試験官は味方です!完璧な文法や発音よりも、単語の意味が分からないときは、素直に試験官に聞いて、ヒントをもらったほうがいいと思います!

 

 

口頭試験(面接)はイメージトレーニングが大事!

 

名詞の性や冠詞の有無、訊き返しなど、帰り道ではひたすら一人反省会。一応すべて受け答えできたけど、大丈夫かな…と心配していましたが、結果は25点中23.24点でした!予想よりかなり高得点でした!

 

A1の要件通り、細かい文法が正しく使えるかということよりも、「困っていることが最低限伝えられる」レベル、ということが大事なんだなと思います。細かいところにとらわれるよりも、「このフレーズなら自分でも使える!」というフレーズを一つでも増やしておくのがいいと思います。

 

また、余談ですが、コロナ禍でマスクのまま試験を受けるうえ、受験者はお互い緊張で声が震えたり小さくなったりするので、聞き取りづらいなと思うこともありました。
ハキハキ話したほうが絶対伝わる!他の人が話しているのを聞いているときも、自分が話したときもそう思いました。

 

試験はほぼ練習問題の通り。対策すれば独学でも合格できると思います。
使えるフレーズを集めて、たくさんイメージトレーニングをしてみてくださいね!